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空き家がもたらす問題とトラブル

空き家を放置していると下記の様な問題やトラブルが発生する可能性があります。

老朽化による倒壊

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老朽化した空き家の倒壊の危険性が社会問題となっています。
日本の家は主に木で造られている為、定期的な換気や適切な管理ができておらず、放置状態の空き家は湿気が滞留して老朽化が早まり、構造材としての役目を果たすことができなくなってしまいます。
また、一般的に空き家は古いものが多く、特に耐震基準の改正前の昭和56年以前に建てられた建物は耐震性が大きく不足している可能性もあります。そのため、小さな地震や台風でも倒壊する建物が出ています。
 
 
 

景観の悪化

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建物が老朽化し、雑草が高く伸び、長い間人が足を踏み入れていない空き家や空き地は景観上良くないだけではなく、不法投棄や害虫・害獣の繁殖の原因となっています。
 
 
 
 
 
 

不審火、自然発火による火災

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空き家は人の目がなく、燃えやすい枯草、ゴミ、紙ゴミなどが散乱していることが多いため、不審者による放火の可能性が高くなってしまいます。火災は近隣への損害が回避できず、その法的責任が問われます。
関連する法律は失火責任法にあたり、重過失以外は基本的に所有者責任を問われませんが法的な責任がないからといっても管理不十分で火災を防止できなかった責任は残ります。
 
 
 
 

いずれも建物の所有者には管理責任があり、瑕疵(不具合)で他人に損害を与えたときは、民法第717条によって損害に対する賠償責任を負います

条文[編集]
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第717条
1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2.前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3.前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

 

空き家対策特別措置法

平成27年5月26日から空き家対策特別措置法が完全施行されました。
この法律は空き家を持つオーナーにとっては重要な問題になっています。
特に古い空き家ではすぐに対策が必要なほど緊急性もあります。もはや、空き家を放置できない時代になってきています。

この法律では、次のことが定められています。

①空き家の実態調査
②空き家の所有者へ適切な管理の指導
③空き家の跡地についての活用促進
④適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定することができる
⑤特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令ができる
⑥特定空家に対して罰金や行政代執行を行うことができる

特定空き家とは?

次のように周辺への影響が大きい空き家を「特定空家等」と定義しています。

①そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
②そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

「特定空家等」にみなされると下記の措置が講じられます。

措置1:解体の通告や強制対処が可能に

空き家対策特別措置法では、著しく保安上の危険となるおそれがある空き家、著しく衛生上有害となるおそれがある空き家について、強制的に対処できる規定が設けられました。
しかし、強制対処はいきなり行われるのではなく、段階的な手順を踏みます。
最初に除却(解体)、修繕、立木竹の伐採等の助言又は指導が行われ、それでも改善しなければ、猶予期限を付けて改善するように勧告し、勧告にも従わない場合は猶予期限を付けて改善命令が出され、猶予期限を過ぎても改善がない場合は強制退去となります。

措置2:固定資産税の特例対象からの除外

特定空家等に対する市町村の改善勧告があると、土地に対する固定資産税の特例(優遇措置)から除外され、土地の固定資産税が最大で4.2倍にも増額されます。

・住宅用地における固定資産税の特例

住宅の敷地固定資産税都市計画税
200㎡までの部分1/6に軽減1/3に軽減
200㎡を超える部分1/3に軽減2/3に軽減

※200㎡を超える部分は床面積の10倍が上限

ただし、下記例のように家の固定資産税が土地の固定資産税の3.2倍以上であれば、更地にしても固定資産税は上がらないケースもあり、使わない空き家を解体した方がトータルの固定資産税が安くなる場合もあります。

例)200㎡を超える敷地を更地にした場合
500㎡なら200㎡までの固定資産税が4.2倍、残りの300㎡は2.1倍(家の床面積が50㎡以上の場合)
特例の適用は床面積の10倍
よって、土地が広いと特例の対象外となる部分も増える為、広いほど更地にしたときの固定資産税の上昇率が下がり、解体前の土地の4.2倍を確実に下回ることになります。

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